知って得する金融と経済の関連サイト
 

手形割引の仕組みとメリット・デメリット

ビジネスの取引では、商品やサービスの代金を支払う際に現金ではなく手形を使うことがあります。

手形とは、一定期間後に特定の人に一定の金額を支払うことを約束した有価証券です。

支払人が発行し受取人が受け取ることで有効になります。

受取人は、支払期日まで待って現金を受け取ることもできますがその間に資金が必要になった場合は、手形割引という方法を利用することができます。

例えば100万円の手形を持っている受取人が、支払期日まであと1か月ある場合に99万円で銀行に売却することができます。

この場合、受取人は1万円の割引料を支払うことになりますがその代わりに現金化が早くなります。

メリットは、現金化が早くなることで資金繰りが改善されることや回収リスクを金融機関に移すことができることです。

資金繰りが改善されれば、他の投資や事業展開に活用することができますし回収リスクが移れば支払人の信用状況や経済情勢に左右されずに安心して取引することができます。

デメリットは、手形の額面よりも低い金額で売却するために割引料が発生することや支払人が破産などで支払い不能になった場合には、金融機関から手形を買い戻す義務が発生することです。

割引料は、手形の額面や残存期間、市場金利などによって変動しますが、一般的には数パーセント程度です。

買い戻し義務は、無担保責任回収権と呼ばれるもので、受取人は自己責任で手形を売却したことになります。

そのため、支払人が支払い不能になった場合は、金融機関から手形の額面と割引料を支払って手形を買い戻さなければなりません。